ボクシング連盟が揺れる今。
現在はボクシングのプロとして活動している村田諒太選手は、古巣である日本ボクシング連盟(こちらはアマチュアの団体)に対してFacebookでコメントをしています。
その内容が意味深なので、ニュース番組も数多く取り上げていますね。
一回目は、成松選手への助成金240万円の不正流用の件を受けての、「そろそろ潔く辞めましょう、悪しき古き人間たち、もうそういう時代じゃありません。」というコメント。
そして2回目は、8月2日の投稿。
内容は、
「石を投げるなら、同じ状況に置かれて自分が同じようなことを本当にしなかっただろうかと自問してみること
人を糾弾する前に必要なことだと考えています」
というもの。
説明には、難しそうな単語「カポー」やドイツによる弾圧時代の体験を描いた文学「夜と霧」などが登場します。
今回の村田諒太選手の意味深なフェイスブック投稿について、
・投稿した内容
・カポーの意味の解説
・誰に向けてのメッセージなのか
について考察し、解説していきます。
村田諒太の意味深なフェイスブック投稿の内容
そもそもの「カポー」の意味とは?フランクル著「夜と霧」での意味を解説
「カポー」のそもそもの意味を村田選手の投稿でも説明されてますが、もう少しわかり易く説明したいと思います。
まず、ナチス・ドイツの時代、アウシュビッツ強制収容所には囚人としてユダヤ人などが入れられてました。
そのときに、収容者でありながら、特別な権利を与えられたカポーと呼ばれる人々がいました。
彼・彼女らは、「暴力的な指向が強い人間」と判断されたために選ばれ、収容者の見張りをするなどの役割を与えられていました。
(カポーは、収容所の警備をしている親衛隊の下部に位置する機関として存在していました。)
カポーに選ばれた人達は、暴力的であると認定されたため(おかげ?)、本来なら囚人のところを「囚人監督」として、劣悪な環境の収容者から抜け出すことができました。
普通、1日に食べられるのは腐ったパンのかけらのみだった収容者に対し、監督は衣食住が全て保障されている。
で、彼らの仕事は囚人監督ですから、
当然、囚人には厳しい仕打ちを強いたりしました。その仕打ちはナチスの親衛隊と同等、いやそれ以上だったとも言います。
それが自分の使命として与えられ、それをやることで今の環境にいられるからです。
本当に、明日死ぬかもわからないギリギリの状況で、
生き延びるためという自己中心的・自分本位な行動で自分を生存させる。自分を守る。
そういうことをやって生きる状況でした。
実際、ルブリン裁判という1944年にあった裁判では、カポーに対する裁判があったんですが、
あなたがカポーなら、同じことをやらないといえるのか。カポーは悪いのか。
ここが論点というか、考えるべきところになってきます。
当初よりは、カポーのイメージが出来上がってきたかと思います。
村田諒太の「カポーを裁くことが出来るかどうか」は誰へのメッセージか?を考察&解説
カポーを噛み砕いていうと、
本当はやっちゃいけないこととかをやっているけど、
自分はそれをやっているからこそ今の環境にいれて、
それをやらなくなったら劣悪な環境に行ってしまう
という状況にある人、とでも言えると思います。
ボクシング連盟にもこの状況を重ねたのでしょう。
告発したいけど、できない。
告発しないから、会長に目をつけられずにいられる。
告発したら、今の立場が危うくなる(選手も)。
こういう状況。
日大のタックル問題もそうですよね。
内田監督がいて、井上コーチは逆らえない。
井上コーチは、選手にタックルしてこいと命令する内田監督の暴走を止めることができない。
止めれば、自分はコーチとしていられなくなる。
同じですね。
これが、村田選手が投げかけた
「カポーを裁けるかどうか?」という問いに繋がります。
「石を投げるなら、同じ状況に置かれて自分が同じようなことを本当にしなかっただろうかと自問してみること
人を糾弾する前に必要なことだと考えています」
という言葉を見るに、投げかけられているのは、
外野から批判している、僕たち世間のことではないかと思いました。
「ボクシング連盟がそんな状態でどうする!」
「スポーツはもっとクリーンであるべきだ!」
などと、声高に糾弾しますが、
「あなたが仮に、そういう状況になったとして、告発できますか?」
と。村田選手が言いたいのはそういうことなのかなと。
カポー=日本ボクシング連盟で目をつぶってた人とか
カポーを裁けるか?と投げかけられている人=僕ら
こういう構図なのかなと。
村田選手は、難しいことを考えていますね。
ただ、この意見でハッとする人もまた、多くいるはず。
今後のボクシング界に注目ですね。
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